● S_box(OM-OF101×2)の計測

2023年7月中旬 

2022年10月下旬に公開(● S_boxの製作(旧T_box))した
S_boxの計測をしました。

S_boxは
・幻のスピーカーユニット
・仮想同軸スピーカー
・バイアンプ接続
・サイドバスレフ
とネタの多いSPです。

S_boxとその内部

S_boxのバイアンプ接続の構成は、
EN15(ステレオ2ウェイ型チャンネルデバイダー、Fostex)
→高域用アンプ_AP15d(Fostex)
→低域用アンプ_YD-30BHⅡ(YUDIOS)
となってます。

<測定設定>

・通常測定
測定音圧63dB付近
PinkNoise
RTA1/6
窓関数:ハミング
測定距離:0.5m
マイク(iPadmini2):ツィーター正面。
トーンコントロール:➖

・バスレフダクトの測定
測定音圧63dB付近
PinkNoise
RTA1/6
窓関数:ハミング
測定距離:バスレフダクト直近(iPadmini2)
低域用アンプ:YD-30BHⅡ
(Bassの中心周波数は60Hz)
トーンコントロール:➖

としました。


(1)トーンコントロールがFlatな場合
通常測定
ダクト長 ℓ66mm、65Hz、ToneFlat
 全体にフラットでなかなか良い周波数特性なんだけど、試聴すると低域の低い方に不満があります。60、68Hzが低域のピークの下限です。トーンコントロールでBass(中央周波数60Hz)を上げ、楽曲によってBass +2〜+4dBあたりに補正すると良くなります。


(2)補正したもの
Bass +4dB(中央周波数60Hz)に補正したものを通常測定しました。
設定:ダクト長 ℓ66mm(共振周波数 65Hz)、Bass +4dB
75、85Hzが低域のピークの下限ですが、60〜95Hzに大きな盛り上がりがみられます。

・バスレフダクトの測定
測定距離:バスレフダクト出口直近(iPadmini2)
ダクト長 ℓ66mm(共振周波数 65Hz)、Bass +4dB
 48〜130Hzの広い範囲に大きな盛り上がりがあります。53、60Hzがが低域のピークの下限です。Bass( +4dB)の中央周波数が60Hzですが、ちょうど反映されているようです。
 このバスレフダクトの測定値が通常測定のものに反映されているのだけど、どう評価すれば良いかまだ力量不足でわかりません。難しいなぁ...


(3)バスレフダクトの比較

・バスレフダクトの測定
測定音圧63dB付近
PinkNoise
RTA1/6
窓関数:ハミング
測定距離:バスレフダクト直近
低域用アンプ:YD-30BHⅡ
トーンコントロール:Flat
低域の比較
a)ダクト長 ℓ55mm(共振周波数 約70Hz)
b)ダクト長 ℓ66mm(共振周波数 約65Hz)
c)ダクト長 ℓ80mm(共振周波数 約60Hz)
d)ダクト長 ℓ98mm(共振周波数 約55Hz)

 43、48、53、60Hzのバーに注目。薄いピークの影に注目して評価してます。
a)共振周波数 約70Hz:53、60Hzが低域のピークの下限。
b)共振周波数 約65Hz:a)同様、53、60Hzが低域のピークの下限ですが、43、48Hzは 「a)」より強く出てます。
c)共振周波数 約60Hz:43、48Hzが低域のピークの下限。
d)共振周波数 約55Hz:43、48Hzが低域のピークの下限。「c)」とほぼ同じ。
 (周波数のバンドには幅があるので2つのバンドを表記しました)
 ダクトのサイズによって「d)」以外、如実に違いが出てます。設計共振周波数と低域のピークに少し違いがありますが、傾向は出てます。異差は設計誤差とエンクロージャーの影響が大きいかと思います。
 通常計測とダクト計測でも低域のピークに少し違いがあります。違いはマイクの測定位置、サイドバスレフ、リスニングルームなどの影響が考えられます。
 「b)」を常用としてましたが、「c)」の方が低域が伸びてます。再度、「c)」の試聴も必要なようです。


<まとめ>
・S_boxは低域不足でBassの補正が必要だ。
通常測定で低域の低い方の音圧は不足気味だ。サイドバスレフは要検討。
バスレフダクトの測定は設計共振周波数の影響が如実に出る。
・「d)ダクト長 ℓ98mm」は「c)ダクト長 ℓ80mm」と測定値でほぼ同じで、低域に限界がある。もう少し低い低域が必要な場合はエンクロージャーを大きくする必要があるようだ。


>参考資料
SonicTools_周波数全域詳細





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