2023年8月中旬
約13.2ℓ→約18.4ℓ
5.2ℓの拡大です。
5.2ℓの拡大です。
外寸:H35cm✖️W27cm✖️D28cm
S2_boxとしました。お試しのSPです。
・使用SPユニット
ウーウァー:OM-OF101_Ontomo Mook(ONKYO)
ツィーター:DC25T-8(Dayton Audio)
・引き続きバイアンプ構成です。
左下が後部拡張部分です。拡張幅は7cmです。
吸音材を見直しました。高密度濾過マット(厚さ10mm)のものを使いました。
対面の片側に吸音材を入れるようにしてます。
・バスレフダクトの計測
下記はバスレフダクトの値です。
− ダクト径 − − ダクト長 − − 設計共振周波数 −
φ=48mm ソケットのみ 65Hz *1
φ=44mm 50 mm 62Hz *2
〃 60 mm 57Hz
〃 70 mm 54Hz
〃 85 mm 50Hz
〃 95 mm 47Hz
〃 125 mm 42Hz
*1:ソケットの片側にはVU-40管が入ってます。径は44mmと48mmです。共振周波数はおおよそです。
*2:ダクト長 50 mmはバスレフダクトの測定をしてません。
バスレフダクト直近の計測結果です。
S2_box_バスレフダクト計測比較 |
赤字はバスレフダクト長です。
下記、( )内は設計共振周波数です。バーの灰色のピークに注目。
・ソケットのみ(65Hz):53、60Hzで盛り上がり。
・ℓ60 mm(57Hz):42、47、53Hzで盛り上がり。
・ℓ70 mm(54Hz):42、47、53Hzで盛り上がり。ℓ60 mmと似てますが、30〜38Hzでより音圧が高くなってます。
・ℓ85 mm(50Hz):42、47Hzで盛り上がりを見せますが、42〜60Hzでℓ70mmより音圧が低くなっています。それに引き換え30〜38Hzの盛り上りが上昇してます。
・ℓ95 mm(47Hz):42、47Hzで盛り上がり。ℓ85mmに同じく。
・ℓ125 mm(42Hz):42、47Hzで盛り上がり。ℓ85mmに同じく。
注目は30、34、38Hzです。ダクト長が長くなるにつれて上昇しています。ℓ95mm、ℓ125mmでは42、47Hzと同等の音圧です。ℓ85mm以上では42〜60Hzの音圧がそれ以下のダクトのものより低くなっています。バスレフダクトの実際の共振周波数は設計共振周波数より少し低くなるようです。
・参考としてバスレフダクトの計測動画を掲載します。
ダクト計測_ℓ70mm(54Hz)
42、47、53、60Hzに最大の盛り上りがあります。設計共振周波数が54Hzなので、設計どおりの感じです。
380Hz、670Hz、1.1kHzで付近より盛り上りがあります。380Hzは少し大きいかなと思います。内部の定在波がバスレフダクトから漏れ出てる感じです。ちょっと気になります。
ダクト計測_ℓ125 mm(42Hz)
30、34、38、42、47Hzに最大の盛り上りががあります。設計共振周波数が42Hzなので、おおむね設計どおりの感じです。
380Hz、670Hz、1.1KHz、2.1KHzで付近より盛り上りがあります。380Hzと1.1KHzは気になる大きさです。内部の定在波がバスレフダクトから漏れ出てる感じです。
この定在波を調べてみると
S2_boxの内寸:H32cm✖️W24cm✖️D25cm
定在波 波長 比定される内寸
1)380Hz ➡︎ 89.5cm -->> 1/4λ(24cm)
2)670Hz ➡︎ 50.7cm -->> 1/2λ 25cm
3)1.1KHz ➡︎ 30.9cm --> λ 32cm
4)2.1KHz ➡︎ 16.2cm -->> 2λ 32cm
1)の380Hzは少しズレてるので疑問ですが、2)〜4)はほぼS2_boxの内寸に比定できます。内寸(H32cm✖️W24cm✖️D25cm)が要因の定在波のようです。吸音材の厚みが少なかったかな?見た目少し寂しげだったなぁ...。吸音材の見直しが必要です。
・通常計測
ソケットのみ、ℓ50mm、ℓ60mm、ℓ70mmで比較。
下記、( )内は設計共振周波数です。バーの灰色のピークに注目。
・ソケットのみ(65Hz):60〜84Hzで盛り上がりがみられます。
・ℓ50 mm(62Hz):60〜84Hzで盛り上がりがみられます。ソケットのみに比べ42〜53Hzで音圧の上昇がみられます。
・ℓ60 mm(57Hz):75、84Hzで若干盛り上がってますが、42Hzにかけて緩やかに下降しています。
・ℓ70 mm(54Hz):42〜130Hzにかけてほぼフラットな状況です。30Hz台を求め無ければ、画的には理想的な周波数特性なんだけど...
ダクト長85mm以上は低域が出過ぎる(30Hz台)ため割愛しようとしたのですが、参考のため再計測し掲載します。
ℓ85mm、ℓ95mm、ℓ125mmで比較。
下記、( )内は設計共振周波数です。
・ℓ85 mm(50Hz):ℓ70mmと同じようですが、30〜38Hzは音圧が高いです。42〜94Hzはほぼフラットに見えます。
・ℓ95 mm(47Hz):ℓ85 mmと同じように見えますが、75、84Hzに少し盛り上りが見られます。30〜38Hzは更に音圧が高いです。
・ℓ125mm(42Hz):75、84Hzに少し盛り上りが見られますが、30〜38Hzは音圧が高くなり、30Hz〜150Hzまでほぼフラットに見えます。
42〜130Hzにかけてほぼフラットな状況です。30〜38Hzのバーの上下動は大きいですが、ピークまで頻繁に達してます。
参考としてℓ125mm(42Hz)の動画を掲載します。
正面_ℓ125mm_S2_box 30〜150Hzまでほぼフラットに見える周波数特性です。30〜38Hzはピークまで達してるものは多くありませんが、ℓ70mmより音圧は高いです。
バーの上下動については、リスニングルームの定在波やエンクロージャー内部の定在波の他に計測アプリのスペアナの影響が考えられると思います。また、ピンクノイズの発生状況の影響もあるかもしれません。そして30Hz台についてはRTA 1/6で各バーの帯域が3.4Hz〜4.3Hzと狭く、端部処理の影響もあり、バーの上下動も激しいです。スペアナで正確に取られているか疑問に思うこともあります。窓関数の補正でも厳しいかな...。ということを念頭において計測値を見る必要があると思うのですが、理解するには私の能力では厳しいです(^^;
・まとめと課題
・劇的に低域が出るようになった。エンクロージャーの容量拡大は成功のようだ。
・バスレフダクト直近の計測値は設計値と少しずれがあるが概ね合っている。
・低域以外の中高域に定在波があり、バスレフダクトからの漏出に注意が必要だ。定在波の原因は吸音材のようだ。
・30Hz、34Hz、38Hzのバーについては、ソケットのみ〜ℓ125mmにかけて音圧が徐々に上昇している。
・ℓ70mmは42〜130Hzにかけてほぼフラットな周波数特性である。
・ℓ125mmは、30Hz〜150Hzまでほぼフラットな周波数特性だが、動画を見ると30〜38Hzでバーの上昇ピークに達するものは多くはない。
・バスレフダクトをℓ70mmにするかℓ125mmにするかの結論は出ていない。
・今後の課題
・ウーウァー OM-OF101がどの程度低い周波数(30〜38Hzの音)まで耐えられるのかがカギとなる。
・S2_boxで低域の30Hz台の音を求めるかどうかの判断が必要だ。
・中高域の定在波については吸音材の見直しが必要だ。
・SP-G300の再生周波数は35〜20kHzなので30〜38Hzの音はなんとか再生できる範囲のようだ。
・私の耳で単純な周波数(正弦波・SP-G300使用)を聴いてみると34Hzくらいがやっと聴ける程度で、厳しい。
・30Hz台が出てる音源は少ない。「音工房Z」さんの「極低域の豊かな音源集」などが参考になりそうだ。
・30Hz台が出てる試聴用音源を聴きながら判断したいが、困難を伴いそうだ。
>参考資料