2022年7月中旬
かなり年月が経て(17年前)しまいました。
記録や記憶が危くなってきたので
まとめたものを公開することにしました。
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SP-G300が我が家にやってきたのは、2005年8月でした。
エッジの貼替え作業は2005年9月におこなってます。
これが、私のスピーカーづくり再開の契機となった重要な出発点です。
最初のブログの公開は2020年1月 9日ですので、随分と時間がかかってますが(^^;
その間、いろいろと試行錯誤をやっていたように思います。
1)状態
最初の状態(音響レンズは取外してます) |
エッジは経年劣化で破れていますが、修理跡は無く良い状態でした。年数を経ているため、電気系統などの劣化が心配だったので、この状態でアンプに繋ぎ音を出し、問題なく音が出ることを確認しました。
これでエッジの貼り替えを決断しました。
2)SP-G300とは
以下は各種HPより抜粋です。
SP-G300はサンスイから1976年に発売されました。サンスイは当時、JBLの輸入代理店だったようです。音響レンズなどJBLを彷彿させるデザインが見てとれます。
販売価格は¥130,000(1本)でしたが、会社的には赤字覚悟だったようです。当時はオーディオブームで各社競ってフラッグシップ機を出していました。SP-G300もサンスイのフラッグシップモデルだったようです。後年(1979年)3ウェイの「SPG-300Ⅱ」が出ました。
・SP-G300 定格
2ウェイ3スピーカー
30.5cmウーファー×2
30.5cmウーファー×2
7cmホーン型ツィーター×1
クロスオーバー周波数:1.5KHz
インピーダンス:8Ω
周波数特性:35〜20,000Hz
音圧レベル:95dB/w (1m)
最大許容入力:300W
寸法:460W×910H×392D mm
重量:43.3 kg
※ 下部に4個のキャスターが付いてました。
(安定しないので取外しました)
<SPユニットなど>
7cmホーン型ツィーター |
SANSUI、TWEETER、T-123
8Ω
JAPAN
小さなビビリ音がするので、ツィーターを見てみると吊り下げているネジが緩んでました。
締め直して完了。
30.5cmウーファー |
左が下部のSP:
SANSUI、WOOFER、W-163
13Ω MAX.150W
JAPAN
右が上部のSP:
SANSUI、WOOFER、W-166
13Ω MAX.150W
JAPAN
SP端子、ネットワーク |
左上は背後のSP結線部分:
ウーファーとツィーター別々に結線が可能です。
バイアンプに対応しています。
右下はネットワーク:
クロスオーバー周波数は1.5KHzです。
クロスオーバーネットワークの回路は不明です。
3)準備(設計など)
しかし、良くこの短期間にこのアイデア思いついたよな〜!
概略・設計書(どちらも日付未記入、残念!) |
上図は手書きですが、詳細設計図です。赤色部分が製作するエッジ部分。実際には製作したエッジは逆(凹)に取付けてます。
右下は構想時点のメモです。
会社帰りにJazzBarで飲みながら、手帳にメモしてたのを思い出しました。作業プロセス、材料、作業機材、どこで購入するかなどを検討してました。JBLの38cmウーファーと30cmウーファー×2との振動面積の比較もしてます。1.25倍あるようです。
楽しかったなぁ!
その他こまごましたものがあったかと思います。
4)エッジの作成
作業のキモです。中身の詰まったゴム製のチューブを使いました。直径は9mmか10mm程度だったかと思います。半円形にカットしてます。手作業だったので、かなり困難な作業でした。
カットしたものを接着剤でベニヤ板に固定してます。虫ピンは仮止めのためです。
② 事前にセーム革が型枠にピッタリ張り付くか試行しました。フエキ糊を水に少し溶かして刷毛で塗るとうまくいきました。
③ セーム皮を貼り付けて円形のエッジの形にしているところです。
④ 円形のセーム皮を型枠に乗せてフエキ糊を少しづつ刷毛で塗っているところです。
セーム皮が汚いのは事前に染色をしようとしたのですが、失敗した痕跡です。
後日、「● SP-G300のメンテナンス_2018年8月」の作業の折、染めQで染めました。
⑤ 型になじんできたら固定するため虫ピンでところどころ押さえているところです。
虫ピンを刺すとちいさな穴が空くのでちょっと抵抗はあったのですが、さほど影響は無かったようです。
5)エッジの張り替え作業
スピーカーのコーン紙を固定する為です。エッジ張替えのキモです。
左側の写真、赤茶色の部分は磁石です。ポールピースと呼ばれています。このユニットは内磁型のようです。その外側はボイスコイルを巻いてある筒です。
磁石と筒との間隔はすごく狭いので、コーン紙が傾いて取り付けられると筒が磁石に噛んでしまう場合があります。ここは筒をしっかりと固定します。
固定には右下の写真のようにテレフォンカード(死語かなぁ)のような薄いカードを三角形に切って周囲にぐるりと差し込みます。これはエッジを貼り付けた後も最後まで外しません。センターキャップを復元する直前に外します。
左上の写真は貼り替え前でウレタンなどのエッジの残骸が残ってます。
これはラッカー薄め液などで取り除きます。コーン紙の裏側にも張り付いていますので、丁寧に取り除きます。
右中の写真は作成したエッジをユニットに被せているところです。オリジナルのエッジは前面が凸ってますが、貼り付け作業上凹にしました。
外周部をユニットに合うようカットし前面の外周から貼り付けました。次にエッジをコーン紙の裏側へ誘導し、裏側からコーン紙に貼り付けました。
貼り付けにはセメダインの接着剤をラッカー薄め液で薄めて刷毛で塗って接着しました。
5)エッジ貼り替え作業 完了
完成写真(音響レンズは取外してます) |
と言うことで完成しました
最初に鳴らした時はドキドキと感動でした。
暫く毎日、鳴らしていたような(∩_∩)
SP上部には懐かしいアンプがあります。上はBose Model 1706II です。小型スピーカーを鳴らす為のものでアンプ内部で低域をアップしています。
下はビクター A-M1Vです。押しボタンだけのアンプらしからぬ斬新なデザインです。対のチューナーT-M1Vもあります。主にA-M1Vの方で鳴らしてました。
その後、YAMAHA AX-596(2005年10月)を購入しました。